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tamakiのIT日記

「技術書」の読書術 〜技術書を血肉にする術〜

はじめに

kakutanitalk2022で紹介されていた一冊。フィヨルドブートキャンプのチーム開発を終え一区切りついたので、これから新しく技術書を読む助けになればと思い読んでみることにしました。

【書評】「技術書」の読書術 達人が教える選び方・読み方・情報発信&共有のコツとテクニック

概要

www.shoeisha.co.jp

技術書にフォーカスし、選び方や読み方、読書管理やアウトプットなど、コツやテクニックをまとめた内容になっています。

イラストや図解なども多く、文面も平易な言葉で綴られており読みやすい内容でした。巷に読書術の本は多いですが「技術書」に対しての向き合い方に悩んでいる方には、読んで損はないオススメできる一冊です。

何を読んだらいいのかわからない?

著者も基本的には物理本での読書を推奨しており、人によって好みはあるとは思いますが私も同じ考えなので共感できました。

まず冒頭で「選び方」について書かれていますが、最近は書店で本を探す機会がめっきり減ってしまったので、書店での選び方のヒントは助けになりました。今は積読がまだまだあるし、読みたい本もたくさんあるので「何を読んだらいいのか?」と悩むことはないですが、選び方に悩んでいる方にはヒントになると思いました。

悪書・良書を気にする必要はない

湯水のように時間やお金があれば、いろんな技術書を試しに購入し読んでみたいとは思いますが、限られたリソースの中で本を選択する場合、どうしてもハズレは引きたくないという考えが頭をよぎります。そんなときに、多くの人が勧める本だから間違いないと思って購入した本が自分に合わなかったりすると「この本の良さがわからない自分はダメなやつだ〜」と自己嫌悪に陥ることがあります。でも実際はそんなことなく、自分にとって内容が難しすぎたり、「良書=相性の良い本」が成り立たないことも多々あるはずです。この節ではそんな自分のネガティブな感情が代弁されており、「わかる〜」と共感できる内容でした。「悪書との出会いは避けられない」とも書かれていましたが、世界に存在する約1億3000万冊(Google調査)の中から選んで読書を続けていれば、悪書(自分にとって相性の悪い本)との出会いは避けることはできません。

最も避けるべきことは読書そのもを止めてしまうことです。

たとえ今悪書だと感じた本でも、時間が経てば良書になることだってあるし、99%の内容は役に立たなくても1%はキラリと光る何かがあるかもしれません。悪書に出会ったときにどう向き合うのかを考えることが重要だと思いました。

読書にかける時間

合わない本に時間をかけてもしかたがない

悪書の項目に繋がりますが、自分には合わない本、今読むべきではない本との向き合い方について学べました。サンクコストを例に説明がありましたが「今の自分と合っていない」と感じたらスパッと止めて次に行くことも大事だと思いました。ダラダラと読んでもしかたない。特に技術書の場合は尚更そうだと思いました。目的が読書になってはいけない。今自分は何を技術書から得たいのか?常に自問し読書にかける時間を意識していきたいと思いました。

読書ノートや読書記録

各種ツールやTipsなどが紹介されており、2022年11月出版の本なので情報も新しく参考にできる内容も多かったです。 実際試したことや現在進行形で使っている内容もあったので、自分が使っているツールなどを紹介。

Scrapbox

著者は読書ノートとして利用されているようですが、自分も1年ほど前から利用していますがとても便利で気に入っています。キーワードをリンクできるのが特徴で「リンクとリンクを繋ぐ = 知と知を繋ぐ」イメージで、知識が繋がっていく感覚があり、学んだ内容を忘れくいし思い出しやすいと感じます。

ブクログ

読書メーターも紹介されてましたが、私はブクログを読書記録として活用しています。SNS機能は使わず読書記録のみとして使っているのでブクログを選択していますが、SNS機能を使いたい方は読書メーターの方がオススメのようです。

たくさんアウトプットしよう

中国の欧陽脩が提唱した文章を上達させるための3つの条件です。

三多

  • 看多(かんた):多くの本を読むこと
  • 做多(さた):多くの文を作ること
  • 商量多(しょうりょうた):多く工夫して推敲すること

この言葉にもあるように、たくさんインプットして、たくさんアウトプットして、そして改善する。シンプルですけどこれが難しい...。特にアウトプットして改善してとなると、面倒だな...と動きも鈍くなる。でもやっぱり本質はこれだし、とても大事なことなんだと改めて思いました。

アウトプットの結果を気にしない アウトプットに遅いということはない

今まさにブログを書きながら感じていますが、結果のことや今さらやっても意味がないとか、そんなこと気にする必要はない。ほんと大事なことですね。

いつでもどこでもアウトプットしよう

同じく欧陽脩の言葉が紹介されていました。

三上

  • 馬上:馬に乗った移動中
  • 枕上:布団で寝ているとき
  • 厠上:トイレの中

ここではアイデアを忘れず記録するために、色々とTipsが紹介されています。私はあまり細かいことはせず、デスクから離れた時はスマートフォン1台に集約してメモを取るしくみでやってますが、参考にして取り入れたいと思いました。

散歩でアイデアが降ってくる?

すべての最高の考えは、散歩することにより思いつく ーフリードリヒ・ニーチェ

私も三上の中でも特に馬上時にアイデアが思い浮かぶことが多いです。散歩は気軽にできますし、何より健康にもいいしオススメです。本来なら歩くことで疲れるはずなのですが、逆に疲れが取れるたりするので意識して外に出るようにしています。そういえば、これから開発する自作サービス案も馬上時に思い浮かんだものです。

まとめ

既知の情報も多かったですが、技術書に対して向き合い方を改めて学べてよかったです。今回は取り上げていないですが、手を動かしながら読み進める方法やマーキング読書法、パラシュート勉強法など、定番の読み進め方もしっかりと網羅され丁寧に解説されており、読書術の最初の一冊として選んでもよい本ではないかと思いました。

「本は実質無料」とは言い得て妙であり、これからも本から学んだことを血肉とするべく、いろんな本との出会いを楽しんでいければと思います。

本をよく読むことで自分を成長させていきなさい。本は著者がとても苦労して身につけたことを、たやすく手に入れされてくれるのだ  ーソクラテス